大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)1084 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人片岡政雄の上告理由第一点について。

原判決が本件農地は上告人の委任によつて上告人の父D及び母Eが管理していた

事実を認定したのに対し、論旨は上告人とその父の間に委任関係はない旨を主張す

るのである。しかし、委任は暗黙に行われることを妨げるものではなく、原判決が

その認定した諸般の事実から、上告人は本件農地の管理一切を父に委任し、父は上

告人の代理人として上告人のために小作契約を締結したものと認定したのは相当で

あるから、論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は原審が本件買収令書の交付にかわる公告を適法としたのを非難するのであ

る。所論自創法九条一項但書によつて、公告をもつて令書交付に代えることができ

る場合は、農地所有者が知れないとき、その他令書の交付をすることができないと

きに限られることは規定上明白であるが、原判決は、知事が耕作者等に上告人の住

所を尋ねたが知らなかつた事実、F(上告人の母の養子)が農地委員であつたにか

かわらず上告人の住所について申出がなかつた事実、農地買収が急速遂行を要請せ

られていた事実、当時の我が国とブラジルとの間の交通事情等を判示する第一審判

決を引用して、本件の場合、法九条一項但書の場合にあたるとしているのであつて、

右の判示は首肯するに足りる。所論は、原審の裁量に属する証拠の取捨判断ならび

に事実の認定を非難し、原判示に副わない事実を前提として違憲を主張するもので

あるから採用できない。

また、引用の判例は本件の場合に適切でなく、原判決には所論の違法もない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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